らぶパチ|らぶパチ連続小説|チェルシー(職業不定)

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らぶパチ連続小説

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第1話 職業不定

 平成19年、パチンコ&パチスロ業界はとても大きな変貌を遂げた。
変貌の最大要因である「4号機撤去」による余波は、業界人ならずとも誰もが危惧していた通りホールの「破綻」という最悪の形で現れ始めた。
そんな苦境の中でも「闘うホール」と「闘うプレイヤー」はいくらでも存在する。
これはそんな渦中で抗う人たちの、痛くてアホな、小さな場所での話し。

朝、爆音で襲いかかってくる目覚まし時計をカカト落としで止めて、
意識朦朧の中、好きな子を思い浮かべては布団を太ももに挟んで腰をカクカクっとする。
脳みそが覚醒するまで、季節や時間帯に関係なく目覚めの儀式は変わらない。
6畳一間の1Kで、薄暗い部屋にはテーブルも冷蔵庫もない。
電気を点けて視界に入ってくるのは、山積みになったパチンコ&パチスロ雑誌。
「引越し祝い」にと婆ちゃんが買ってくれたメーカー不明のテレビデオ…と付属のエロビデオ。
それに、緑に変色し始めている手鏡と、温風の壊れたドライヤー、電気シェイバー、そして中古で購入したパチスロの「HANAHANA」だ。
洗濯は近くのコインランドリーに通ってるから、外に設置した洗濯機はホコリまみれのまま放置されている。
食事は近所のコンビニや、ファーストフードを柱にしているので、エンゲル係数の伸びは留まることを知らない。
「いつか出来んじゃね?」と思い続けている「可愛い彼女」を妄想しながら27年間生きてきた。
悲しいかな『童の貞』。
ま、ピュアだという意見もチラホラある…が、この歳だとさすがに「向こう側」の人だったのかと親すら不安になってるハズだ。
「職業不定」の理由は何をやるにしても長続きしない性格と、1度手にした「夢入り毒リンゴ」を丸かじりしてしまい、遊技機に翻弄されてしまったからだ。
野暮と知りつつ反省する日もあるが、借りてきたビデオとバラエティ番組を見ると、現実を忘れてしまう。
ハンパな物真似プロ生活は、雑誌で受けた影響を生活の中心に取り込み5年目を迎えていた。

開店30分前くらいになると完全に目が覚め、よく行くパチンコ屋に照準を絞り始める。
顔も洗わず、歯も磨かず、飯も食わずに真っ先に「並ばねば!」との思考が頭を過るので、寝巻きのまま外に停めてある「所沢のホスト」が置いてったチャリに乗って出発する。
ボコボコのタイヤで目的のホールへ辿り着くと、そこで第一声を発することが出来る。
いわゆる常連さん達との会話だ。パチンコ屋以外に友達はいるが、いちいち電話で「おはよう」とは言わない。
むしろ、言ったら負けだ。
そして笑えないくらい節穴だらけの目で、情報収集が始まる。

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