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第13話 犬と猿の事情

 おばちゃんとポップさんは犬猿の仲なのかなといつも思う。
似てるような性格をしてるし、顔もどことなく似てる。
けれど、お互い強い口調になったのを初めて見た。
木曜の朝、ホールに入店してからさっきの件をおばちゃんが俺に話してきた。
「ちょっとぉ、なんか朝割り込んできた人達が居たのよ!あたしの前によ!?考えられないわよ!」
聞いた話しと少し違っていた。
「それであたしらが注意してたのよ。そうしたらあの人が突然絡んできたのよ。なんなのかしらもぉ!」
鼻息が荒く、興奮が収まらないといった形相で今にも食われそうな勢いがあった。
「割り込みをさせたんじゃないんですか?」
「違うわよっ!そんな事私が居るのにさせるわけないじゃないよ!あたしが並んでたらその前に入ってきたの!」
「じゃ、ポップさんは…なんでおばちゃんに怒ってたんですか?」
「あの人が怒ってたのは「私たちが割り込みを許してる」って聞いたって言ってたわよ。でもそんな事させるハズないじゃないのよ。ちょっと考えれば分るでしょ?って。そしたら怒っちゃったみたいねぇ。子供よね、あの人は」
おばちゃんは昔からポップさんと知り合いのような口調で話した。
「もぉー!!」
そう言うと、おばちゃんはズカズカとパチンココーナーへと戻って行った。

割り込みをした人達の顔を覚えてるので、少し見てこようとホール内をグルグルとしたけれど、何故かどこにも見当たらなかった。
店員に注意された時に帰ってしまったのかもしれない。
おばちゃんは早めにホールへ来たピーちゃんの横に座っていた。
きっと同じ話をしてるんだなと思った。
ポップさんは『センプロさん』の隣でパチスロを打っていた。

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