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『センプロさん』は、相手が男だろうと、女だろうと、年上だろうと、年下だろうといつもロマンティスト全開なパチプロだ。
それに、夏でも冬でもファイヤーパターンの入ったライダースを着て、小役を数えながら黙々と狙い台とまっすぐ勝負している。
パチプロとしての真摯な姿勢はこのホールじゃ、ちょっと有名だ。
ただ常連組は陰の部分を知っている。
センプロさんは展開には決して恵まれない。
高設定を打っても、どんなに釘が良好な台を打っても毎度最初だけ。
大量のコインや、玉を持っているのを1度も見たことがない。
「最初の千円でしか輝けないプロ」…付いた呼び名は『センプロ』だった。
そんな光景を横目にホール内を回っていると、新常連組の彼女が話しかけて来た。
「ちょっといいですか?」
思わずピーちゃんの元カレを探してしまったけれど、一人のようだった。
そのままカフェコーナーへ連れ立って、彼女の話しを聞く事になった。
「あのおばちゃんの事なんですけど…」
告白!?と勘違いしてドキドキしてたんだけど『おばちゃん』という単語を聞いて正常値に戻った。
「サングラスをした人とどんな関係なんですか?知ってます?」
きっとポップさんのことを指しているんだろう。けれど、関係性と言われると全く分からない。
「ごめん、よく知らないんだ」
「そうですか。この前ね、お金を渡してたらしんですよ。だからご夫婦なのかなと思ったんですけど…」
「ん!?」
夫婦だとしてもおかしくはないけれど、確かピーちゃん情報だと旦那はおばちゃんの勢いに負けてパチンコはヤメたハズ。
その旨を彼女に伝えると
「じゃ、お友達なんですね、きっと」
そう言うと、彼女は電話を取り出して頭を下げながら外へ出て行ってしまった。
お金を渡す状況…ポップさんの仕事は確か新聞配達だったし、まして友達かと言われるとそんなに仲がいいようには見えない。