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ピーちゃんは今日も荒れていた。
「絶対におかしいって!んであーしだけ出ねーんだべ!あーっ!!あの馬鹿女と一緒の馬鹿男は超出してるし!全然意味分かんないから!」
珍しく相手をしているのは俺じゃなく、おばちゃんだった。
今まで飯の誘いは何度もあったけれど、おばちゃんから飲みに誘われたのは初めてだった。
おばちゃんはピーちゃんが酒に弱いというのを知っていたのか、やりとりにはかなり慣れていた。
「おばちゃんだってさ、そー思うべ!?つかあーしら超負けっぱなしじゃんよ!」
相変わらず飲まれるのが早い。
居酒屋に着いて30分しか経ってない。
すると突然ピーちゃんが泣き出した。
「あーしさ…家出してんじゃん…男と逃げてきちったのに…あの馬鹿男はさ、あんな女と一緒んなってんだもん…ぅう」
ピーちゃんはポロっと家出してきたことを口にした。
きっと俺一人だとそんな事は言わなかったと思う。
「そうかそうか」
諭すようなおばちゃんの優しい口調が、いも焼酎で出来た涙を助長させていた。
「おばちゃんもなんで金借りて打ってんだよ!あん時、あーしのこと超怒ったじゃんかよ!」
あ…。
おばちゃんの顔が強張った。
「お金は借りてるけど、なんでそれ知ってるの?」
ピーちゃんが俺の顔を、ウサギのような真っ赤な目で睨みつけた。
「あ、いやこの前聞いたんですよ、あのピーちゃんの…元カレと一緒にいる女の子に」
「はぁ?あたしがそんなこと他人に言うわけないじゃない!!…どうして知ってるのよ!?」
「いや、分かんないですけど…。ポップさんに金を渡してるって聞いたんで、たまたま帰り一緒だったポップさんに聞いたんですよ」
「え?あの人になんて絶対お金は借りないわよ!確かにあの人金貸しだけど、見たら分かるでしょ?昔っからヤンチャな人だったんだから」
話が段々分からなくなってきた。
ポップさんの話した内容は金貸しという以外は『嘘』で、おばちゃんは『彼から金を借りていない』と言う。
けれど、あの彼女は『見た』と言う。