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俺が住んでいる街には、パチンコ屋が1店舗しか存在しない。
それも大型のチェーン店ではなく、個人経営らしい小さなホールだ。
通い初めはパチンコ専門店だったけど、爆裂AT機の浸透からかパチスロを併設するようになった。
そして流行通りの機種を並べて、人を集めるための大盤振る舞い。
連日万枚超えがどのシマからも出るようになり、注目を集めるような店に急成長してたけど、
そんな華のある設定をいつまでも使える訳もなく、リニューアルオープンから半年でまた元通りのやさぐれ半の店に戻った。
当時、ホールのオーナー兼店長だと噂の人をたまに見かけたけど、よっぽど疲れていたのだろうか…目はいつもクマだらけだった。
その時期、パチンコからパチスロに乗り換えた人たちも大勢いたけど、パチンコの方が分かり易いのと、射幸心だけを煽られて傷だらけになったとの理由で、今はパチンコのシマから遠のいた客足が序所にだけど戻ってきていた。
通い始めて5年が経つけど「爆裂」と謳われた面影は、パチスロをパチンコのシマに無理に併設した後遺症くらいで、すっかりラジー賞にノミネートされているホールだ。
今は息子が後を引き継いだらしいけど、羽振りがいいのか乗り付ける車種はベンツのゲレンデ。
その車を見る度に「俺の金はアイツのガス代になってるんか!」と密かに嫉妬している。
ホールへボッコボコのチャリで行きながら、いつも思う。
到着までは、家を出てから5分とかからない。
駐輪場の最も北側にチャリを停めて、毎朝道中痛めるケツを気にしながら正面玄関へと向かう。