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第28話 スキンヘッド

 決起集会になってしまった居酒屋での出来事は、おばちゃんが「そろそろ帰るわね」と言った深夜まで続いた。
決まったのは「300万円賭ける!」「パチンコ対決をする!」「負けた方が出禁!」ということ。
単純に見えるルールだけど、相手の『新常連組』が本当に受け入れるのかは分からない。
それに、俺はまだこの勝負をするという部分を「馬鹿げてる」と思っている。
酒の勢いもあったろうけれど、他の3人があれだけ熱くなっていた理由が分からなかった。
帰り道、冷えた空気にあてられて家に着いた頃には酔いがすっかり醒めてしまっていた。
他の3人は一体どこまで本気なんだろう…。
そんな不安な気持ちのまま眠りについた。

翌朝「9時にホールへ集合!」という約束をしていたのでこの日はいつもより早めに家を出た。
そして駐輪場のいつもの位置にチャリを停めて、自動ドアの方へ向かうと3人は既に並んでいた。
「アイツら来たら言うから」
目をギラつかせていたピーちゃん。
「あたし達がついてるから」「頑張ろうぜ」
おばちゃんが返答すると、それに合わせたようにセンプロさんも深く頷いた。
情けない声で俺も後に続いた。そこへ…
「よぉー。お前らコソコソな〜にやってんのぉ☆」
タイミング悪くやってきたのは、何故かスキンヘッドにして一層ヤバい感じになってきたポップさんだった。
そうだった。この人を忘れていた。
「いや」
俺がなんでもありませんと説明しようとすると、おばちゃんが
「アンタも同類だからさ」
と経緯を淡々と話しだした。
俺はてっきりおばちゃんはポップさんのことが嫌いなんじゃないかと思ってた。
「アァ!?な〜んだよ、それよぉ〜。俺はさぁ、昔からナメられんのは好きじゃーないんだよねぇ。ナメてもらうのはいいんだけどよぉ、へっへへへ☆」
「アァ!?テメーふざけてる場合じゃねーんだよ!」
ピーちゃんは凄い剣幕でポップさんにキレてかかった。
「う〜わ〜キレてるよ〜。ちょっと言っただけだろぉ、そんなに怒るなよぉ☆なぁ?」
「え…えぇ」
「て言うか、もうアイツら来るから」
こんな場所に自分が立つなんて思ってもいなかった。

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