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駐輪場に向かってマイチャリの所まで行くと、そこに立っていたのはやはりプニだった。
「……なに?」
少し尖った口調で聞くと、強張った表情に加えて、心無しか顔が青醒めていた。
プニは黙ったままだった。
「なんか…どうかしたの?早く戻りたいんだけど」
そう言うと、プニの目には涙が浮かんで、数秒後に静かに崩れながら泣きだした。
正直驚いた。そしてどうしていいのか全く分からなかった。
「え?え?ど、どうしたの?」
「………ごめんなさい…」
涙を流しながら出した声はひどく小さかった。
「なにが?なんで謝ってんの?て言うかなんで泣いてんの?」
しどろもどろという言葉の意味が、この時初めて理解出来た。
「……そんなつもりじゃ…なかったんです…」
絞り出した声はすごく遠くから聞こえてきたような気がした。
「だ、大丈夫?」
崩れ落ちたプニに近づいて、肩にそっと手を回した。
「…ごめんなさい…ごめんなさい」
なぜか、ひたすら謝り続けるプニにどうしたらいいのか…。
そのままの状態と、小さく掠れた声はしばらく続いた。
「…ちゃんと話しをすれば良かった…でも…どう話していいのか分からない…」
「いいよ、落ち着いて」
こんな状況なのに、優しい言葉を選択出来た自分に酔いしれているのが分かった。
「ほら」
差し出したのは念のためにといつも持っていた、チェック柄のハンカチ。
だけど、何ヶ月も洗濯をしてないことを思い出して「あっ」と小さく言いながらポケットに戻した。
代わりに渡したのはもう片方のポケットに入っていた飴だった。
「…ありがとう…」
そう言うと彼女は銀紙で包まれた飴を握りしめて、俺の目をまっすぐに見た。