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らぶパチ連続小説

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第5話 茨城

 開店時間を迎えると店員の「走らないで!」との掛け声と一緒に店内へと流れ込む。
最後尾の俺はゆっくりと…というか、走る気力なんて毛頭ない。
雑誌基準で立ち回っているからといっても、下見すらしていない。
いつものように、楽しいなと思える機種のイベント台をシコシコと打っているのだ。
そんな悠長なことが出来るのには理由がある。
一番の要因は、最近客足が遠のいたこと。
4号機が消えて、5号機が導入されてからというもの、走る客は先頭集団くらいで、歩く客と開店後に来る客が圧倒的に増えた。
それに、店長らしき人物が息子に交代してから釘も設定も悪くなる一方。
良くなったのはゲレンデの足回りくらいなもんだ。
それでも朝並ぶ客がいるのは、出ている台があるからだ。
節穴だらけの目なので時間はかかったけれど、ある日、ふと気付いた。

 最初に気付いたのは厳密に言うと俺じゃない。
出稼ぎだか、家出だか知らないが『ピーちゃん』と呼んでいるマドンナだ。
ピーちゃんは背が小さくて、その声も骨格通りにアニメーション。
ただ…鋭い眼光は街を焼き尽くすかのようで、話してみると茨城なまりのヤンキー口調。
酒に誘われたことがあって、それまでは淑やかな人だなと興味津々だったけれど、深夜3時を回った頃に態度が豹変した。
「酒とカキピーは裏切らねーべ!」と連呼しながら、延々と朝まで過去の男の話を聞かされた。
興味津々だったあの時の淡い気持ちは、おかげでばっさりなくなった。
その時に酔っぱらいながらも『よく当る台』の話しをしていた。
ま、一定の時間が来たら当ると言ったようなものではなく、釘が良く、設定が高い台を打っていて出ているということらしいのだが…。
この手の話しは、聞き始めたらキリがない。
むしろパチンコ屋なら、妬み嫉みなんて何処にでもある話しだし。
最初のうちはそう考えていたんだけど、どうしても意識してしまう。
ピーちゃんの言っていた人を見ていると、段々と疑い深くなってきてしまった。
確かめる術はないのだけれど…。

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