らぶパチ|らぶパチ連続小説|チェルシー(グレイシー)

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第6話 グレイシー

 「ほら、これ見なさいよ!アンタの昨日のグラフ。言ったでしょ〜、もぉホントジャグラーを分かってないんだから!」
前日、イベントのアイムジャグラーに座ったんだけど、ボーナス確率が急降下し始めた所で見切りを付けた。
確かその時に「ちょっと待った!」と、仕事人の釘が渋くて浮気していたおばちゃんが、俺にストップをかけたんだ。
「アンタねぇ、今ヤメたら損するわよっ!」と炸裂したのは細木節。
正直ヤメたい時がヤメ時の自分としては、足止めを喰らうのはちょっと辛かった。
ただおばちゃんの言った通りに、ヤメた事は結果的に失敗したようだ。
もの凄い勢いでグラフが急上昇している。
いつもそうだ。
『もう無理かな』『まだ出るかな』と疑心暗鬼になり始めると、大体グラフが急上昇もしくは、急降下する。
なんでだろ。
「アンタねぇジャグラーってのは気持ちなのよ!」
言ってることはなんとく分かるけど、理解には時間がかかる言葉だった。
おばちゃんは話し始めるとノンストップで、ヒクソンのように粘り強く俺に『ジャグラー気持ち説』を語りだした。

「角もそう、中央もそう、みーんなヤメちゃってから出たんだから!」
きっと俺と同じように、疑いの眼差しが強くなったんだろう。
「でもね、あたしは絶対に出る!って思ってたのよ。それをね、みんなに教えたんだけど、みんな帰っちゃうんだもん!」
「おばちゃんは出たんですか?」
言った後に後悔した。質問するとピストンがさらに加速するからだ。
「ちょっともう何言ってんのよ!アンタがヤメちゃったからあたしが頑張ったんじゃない!ほらっ!これ見なさいよ!」
自分が打っていたであろうスランプグラフを指さしながら、おばちゃんはニコニコ顔。
「勝ったわよ!!!」
「…あ〜あ〜、これ、俺の打ってた台じゃ〜んかー☆」
俺の肩に手を回しながら横から出てきたのはポップさん。
「あら……そーなの」
おばちゃんはポップさんとは絡みたくないのか、いつも急激に心のスランプグラフが下降する。
そして俺に「頑張んなさいよ!」と力強く言い、パチンココーナーへ向かってしまった。
無敗を誇るヒクソンにも苦手な物があるんだなと、改めて思った。

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